Monday, January 16, 2006

tonality

調性感

音楽の大事な要素、調性。マッテゾンが、調性感に関して1700年ごろにすでに著したものがあります。

曰く、ニ長調は本来鋭く頑固である。曰く、ホ長調は本来絶望的なものあるいは全く致命的な悲しみを、喩えようもなく適切に表現する。などなど。

ホントかよ、とつっこみたいところは多々ありますが、それはさておき、ちょっとその時代背景に注目してみる。1700年ごろといえば、バッハ全盛期。つまりバロック。ということはAの音程は今の442Hzではなくて415Hz。これは今の約半音下。一方、一部の場所(教会など)では、465Hzというものも使われていたとか。ということは、音程に対して、絶対的なものなんてないじゃないか、ということになる。じゃあ、マッテゾンは何を考えてこれを著したのか。

思うに、調性感というのは、その曲の音階どうこうではなくて、その曲に内包される雰囲気なのではないか、と。たとえば、A-durは情熱的、Des-durは神秘的、h-molは物悲しい、みたいにね。

だから、オリジナルの曲を編曲する人が、いとも簡単にその調を移調してしまうのを見るとすごく悲しくなります。調を変えただけで、その曲に秘められたものの大半がすり替わってしまっているのだから。

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今日の一枚。

Count Basie, April in Paris

ベイシーの名盤。これが私にとってのベイシーの原点。Corner Pocketは、Ges-durしかありえないのです。さすがベイシー。ちなみに、お気に入りはDidn' Youです。

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