シュティルナー曰く、
『(日本人の権利意識として)所有者である他人が現に使用していないものを、無断で使用することには、あまり心理的抵抗を感ぜず、むしろ、所有者がそのような無断借用に抗議することに、かえって抵抗を感じ、また一般の社会もそのような抗議を一種の強欲な利己主義と感ずる傾向がある、と言う現象は、われわれが日常生活で多かれ少なかれ見聞するところである。たとえば、数年前のことであるが、私の住居の前の道路で電線工事をしていた人々が、何のことわりもなしに私の家の庭に入り込み、弁当をひらいて昼食をしていたことがあった。また、現に使用されていない他人の土地にことわりなしに入りこんで、キャッチボールをしたりすることは、全く日常茶飯事であるように思われる。
また、修学旅行に出た団体旅行で、学生が旅館や駅の売店等で、些細なものではあるが「ぬすむ」ことに対して、あまり心理的抵抗がないらしいことも、「他人の独占排他的な所有権」という意識が一般普遍的には確立していないことの現われであるように思われる。』
とはいえ、自分の所属する研究室の所有物(ソファや、テーブル、椅子)を、隣の研究室の外国人が、なんの断りもなしに使用しているのを見ると、外国人こそそういうものがないのでは、と思いますがね。
あ、これって所有の概念というより、デリカシーの問題でしょうか。
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